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先史時代ワールドモデルの構築

 

 

研究代表者:

原 俊彦 (北海道東海大学・国際文化学部・教授)

研究分担者:

植木 武 (共立女子短期大学・生活科学学科・教授)

交付金額:

3,400,000円(平成7年度-平成10年度)

代表者連絡先:

005-8601 札幌市南区南沢5-1-1-1
北海道東海大学・国際文化学部
Tel. 011-571-5111 Fax.011-571-7879
Email: hara@di.htokai.ac.jp

 

    1.研究概要

    ●研究の目標

    ●研究の経過

    2.研究の成果

    ●成長の限界とワールドモデル

    ●人類史の謎を考える

    ●先史時代へタイムスリップ

    ●技術革新・文化革命説

    ●気候変動・外部ストレス説

    ●人口圧力・食域拡大説

    ●8000年前に人類に何が起きたか?

    謝辞

    文献

    論文・報告書・著書リスト (1999年1月現在)

    発表・報告活動

    受賞

  1. 研究概要
  2. ●研究の目標

    ローマクラブ報告の「成長の限界」や、その20年後のレビューである「限界を越えて」などからも分かるように、多数のフィ−ドバックル−プを持つ時系列的現象は、我々の直感を越えた複雑な動きを示す。そこで同種のモデル化手法を現代の地球社会ではなく、先史時代に応用し、人類が狩猟採集社会から農耕定住社会へと移行した段階での歴史的変化を、様々な仮説に基づくシミュレーションを通じ再現することが可能なのではないかと考えた。本研究では、このような観点に立ち、従来、主に社会科学系で用いられてきたシステム・ダイナミックス手法を考古学・人類学分野のマクロ・シミュレーションに応用することをめざした。

    ●研究の経過

    1995年度

    本研究では,まずワールドモデル(World3)の構造を分析し,先史時代にそのまま応用できる部分の抽出を行なった。次に狩猟採集社会から農耕定住社会への移行に関する考古学・人類学関係の仮説を調べ,初期条件やシステムの構造を考え,プロトタイプ・モデルの作成を行った。

    狩猟採集モデル,農耕モデル,両者の合成モデル, (Hassan 1981) に沿った改良モデルなどを開発し,シミュレーションを行い,狩猟採集社会から農耕定住社会への移行に関する複数の仮説を検証し,その問題点を明らかにすることができた。とりわけ, (Hassan 1981) に沿った改良モデルでは,自然環境の変動も組み込み,高い再現性と汎用性を実証することができた。これらの成果について『考古学における計量分析ー計量考古学への道(V)』(9510: 文部省統計数理研究所),『シンポジウムー人文科学における数量的分析』(963: 同所),『第1回 日本情報考古学会』(963月:帝塚山大学)において発表した。

    1996年度

     本研究の第二段階として, 昨年開発したプロトタイプモデルの改良作業を行なった。まず, 農耕セクターについては, 農耕人口・耕地拡大・生産性の関係に着目し, 技術革新ではなく人口増加が農耕の労働集約性を高めたとする (Boserup,1965)の仮説を検証するテストモデルを作成, シミュレーションを行い, 仮説の有効性とその限界性を明確にした。また, 狩猟採集セクターについては, この農耕セクター改良作業からの知見を下に, (Hassan 1981)らの気候変動仮説の再検討を行い, その問題点を明らかにするとともに, 人口密度と労働生産性に着目したテストモデル作成, 狩猟採集社会から農耕社会が内発的に発生するメカニズムを解明した。さらに, これら生産セクターの改良作業の結果を元に (Harrris1989)らの最適食域理論を人口密度と労働生産性の変化という観点から一般化することに成功, 次年度の最終モデルに向けた有力な展望を得ることができた。

     これらの成果は, 『第2回 日本情報考古学会』(968: 文部省統計数理研究所), 『第2回 シンポジウムー人文科学における数量的分析』(973: 文部省統計数理研究所)『第3回 日本情報考古学会』(973月:帝塚山大学)において発表した。また, 改良作業と平行して,プロトタイプモデルの英語版を作成, 19968月からパッケージの無料配布を開始しするとともに、昨年度の成果を論文化し『情報考古学』VOL(1)に掲載した。さらに, これらの成果を発信するためのホームページを開設、運用を開始した。

     なお、973月には、『情報考古学』VOL(1)に発表した論文を通じ、日本情報考古学会より論文賞受賞した。

    1997年度

     本研究の第三段階として, 改良作業の結果を踏まえ、 ハリスらの最適食域モデル(Optimal Diet-Breath Model)(Harrris & Ross (ed.), 1989)を拡張することにより、狩猟採集から農耕への労働力の遷移を説明するモデル(原・植木 1997a,c)を作成し、これにより狩猟採集から農耕への労働力の遷移を解明した。さらに、このモデルを、ボスラップ(Boserup,1965,1981)の農耕社会における労働集約化と人口成長を説明するモデル(原・植木 1996)に結合、狩猟採集から農耕への労働力の遷移と、その後の、農耕労働力の集約化による土地生産性の上昇、これにともなう人口成長率の急激な高まりという、いわゆる農耕革命の一連のプロセスを再現する総合モデルを構築、シミュレーションを行い、農耕革命が自然発生するメカニズムとその条件を解明することができた。

     これらの成果を, 『第4回 日本情報考古学会』(979: 国立歴史民俗博物館), 『第3回 シンポジウムー人文科学における数量的分析』(983: 文部省統計数理研究所)『第5回 日本情報考古学会』(983月:奈良先端科学技術大学)において発表した。また, この作業と平行して, 昨年度の成果を論文化し『情報考古学』VOL3(2)に掲載するとともに、『日本計量行動学会第25回大会』(979:仙台市戦災復興記念館)で研究プロジェクトを紹介した。

    1998年度

     本研究の最終段階として, 歴史的データに基づき、農耕革命に関する主要な仮説を本格的に検証することを念頭に総合モデルの調整作業を行う。この作業を通じ、動物性資源の初期値を、狩猟のみで生存必要食料量を満しうる理論値である4703 kg/km2(針葉樹林帯(Thron Forest)の有蹄類生産量4900 kg/km2にほぼ指摘するレベル)でなく、現在のサバンナ(Tropical grassland)並みの9000 kg/km2に設定。この値を元にシミュレーションを行った結果、シミュレーション開始後6490年後(8550年前)に農耕革命が発生、定説の8000年前とぼぼ一致することが明らかとなった。また、その後の作業から、狩猟採集地の拡大が非常に早い時期に限界に達してしまっていることが、このような歴史的タイミングで農耕が発生する決定的条件であることがわかり、総合モデルを、この条件を満たした歴史的農耕発生地域と、非発生地域の二つが複合的に作用する形に発展させた。この結果、1995年度に開発した、技術革新説・気候変動説型のプロトタイプモデルに対応する形で、人口圧力・食域拡大説型の総合モデルを完成させることができた。

     これらの成果を, 『第6回 日本情報考古学会』(989:共立女子大学)、『第4回 シンポジウムー人文科学における数量的分析』(993:総合大学院大学葉山キャンパス)『日本情報考古学会第7回大会(993月:奈良先端科学技術大学)において発表した。また, この作業と平行して, 97年度の研究成果を論文化し『情報考古学』VOL4(2)に投稿するとともに、今までの研究成果を、一般読者向けの雑誌『人文科学と情報処理』に特集及び連載の形で公表する活動を始めた。また、最終的な研究成果のまとめとして、「情報考古学シリーズ 第2巻 狩猟採集から農耕社会へ」(勉誠社)を2000年4月に刊行する予定である。

     なお、本研究により、991月に、学校法人 東海大学より、松前重義賞(学術部門)受賞した。

  3. 研究の成果
  4. ●成長の限界とワールドモデル

     高度経済成長の神話がまだ健在であった1972年に出たローマクラブ報告「成長の限界」は、地球環境の有限性の問題を初めて明瞭な形で提示し世界的なセンセーションを巻き起こした。

     あれから26年、当時37億人ほどであった世界人口は世紀末を目前に60億人に近づき、人口爆発や地球温暖化など地球環境問題への対応が人類的課題となり「成長の限界」が実感されつつある。

     この、ある意味で先見の明に富んだ「成長の限界」という概念は、J.W.フオレスターが開発したシステム・ダイナミクス手法と、これを用いて開発されたワールドモデルから生み出された。コンピュータシミュレーションを用い、誰にでも分かりやすい形で、世界の未来が表現されることがなければ、「成長の限界」という概念がこれほどまでに一般化することはなかったに違いない。

    ●人類史の謎を考える

     しかし我々の近未来に投影された、この「成長の限界」という問題を、遥か過去に遡り、超長期的・人類史的視点から眺めると、実に不可解な謎に直面する。

     周知のように「文化を持った人類が登場してから200万年。人類は、そのうちの99%を狩猟採集民として生活してきた」。この間、世界人口はせいぜい600-1000万人まで増加しただけであり、人口成長率は限りなく0に近かった。つまり、現代的解釈に立つなら、人類は自然生態系に完璧に適応した、強固で安定した生活形態を200万年近くも維持していたことになる。

     ところが、我々の直接の祖先である新人(Homo sapiens)が登場し、その環境適応能力の高さから以前には進出できなかった生物資源領域への地理的拡大を可能とした結果、更新世後期(15千年前)から更新世末期(1万年前)にかけ、世界人口は600万人からの800-900万人まで増加した。

     そして8000年前頃、いわゆる「農耕革命」が起こり、農耕定住社会への移行が始まり、世界の人口増加率は、それ以前の0.01% から0.10%へと上昇、 BC1000年頃までに世界人口は5000万人のレベルまで急激に増加したという。

     確かに、その後、人類が経験した産業革命や、近年の人口爆発に見られる年率2%以上の人口成長率に比べれば、農耕革命後の0.10%など、ものの数ではない。しかし、今日の我々が直面しているとされる「成長の限界」への決定的な分岐は、人類が長期にわたり維持してきた生態学的に安定していた狩猟採集生活を捨て、農耕生活へと踏み出した、この時点にあると考えて良い。だとすれば、人類は、なぜ「成長の限界」への道を踏み出したのだろうか。

    ●先史時代へタイムスリップ

     現代のワールドモデルのベースとなったシステム・ダイナミックス手法は、人口・生産・自然環境・資源・土地利用など様々な要因が複雑にからみ合い、それらの相互作用が時間とともに非線形的な結果を生み出すモデルの開発に適している。また近年になり、従来のシミュレーション言語DYNAMOに加え、新たにSTELLAが登場し、パーソナル・コンピュータ上で自由に作業ができる環境が整って来ている。

     そこで同じ手法を用い現代のワールドモデルを先史時代へタイムスリップさせ、人類が狩猟採集社会から農耕定住社会へと移行した段階の歴史的変化を再現してみてはどうかと考えた。「先史時代のワールドモデル」を構築することで、現代社会が直面する「成長の限界」的状況を、より長期的・人類史的視点から再考しうるのではないか。

    ●技術革新・文化革命説

     なぜ人類は狩猟採集生活を捨て農耕生活へと踏み出したのか。決定的な分岐点にあたる「農耕革命」に関する仮説の中で最もシンプルで分かり易いのが技術革新・文化革命説である。

     マルサスは「人口は所与の食糧供給による制約に適応して成長する」としており、この、いわゆるマルサス・モデルに従えば、8000年前に、それまで知られていなかった技術革新的変化=農耕が発見され、生産性が劇的に高まり、旧い生産様式=狩猟採集における食糧供給上の制約がはずれ、人口が急激に増大したという説明になる。文化人類学者L.H.モ−ガンの「文化進化説」や考古学者V.G.チャイルドの「新石器革命」などの古典的学説も、技術革新や文化革命が環境収容力を増大させ、それがさらなる文化変容を喚起したという立場に立っており、基本的にこのマルサス・モデルを反映している。

     そこでまず、この技術革新・文化革命説に基づくモデルを作りシミュレーションを行った。

     このモデルは、大きく狩猟採集地域と農耕発生地域から成り、前者は農耕に関する技術革新・文化革命が起きない地域、後者はタイムスイッチにより8000年前(シミュレーション開始後7000年)に農耕革命が発生する地域で、年齢構造、総人口、土地利用、自然環境、狩猟採集、平均寿命、出生力の8つセクターから構成されている。

    まず、更新世後期(15千年前)から更新世末期(1万年前)までの5千年間では、総人口は初期の600万人から約837万人に増加し、800900万人という歴史的水準にほぼ対応した結果が得られた。また、人口増加のパターンは、潜在狩猟採集地に余裕のある14千年前ぐらいまでは、食物利用率の改善が狩猟採集地の拡大に反映され急速な人口増加(r=0.02 %) を示すが、その後は潜在狩猟採集地の比率が低下し拡大が困難となり、土地利用比率は77.9%、人口密度は0.11人/Km2まで上昇、人口増加率が急速に低下(r=0.002 %)、人口は停滞傾向を示す。(図1

      計算開始から7000年後に農耕発生地域で農耕革命が起きると、農耕セクターの収穫量倍数が上昇を開始し、これにともない同地域の人口が増加する。成長率は初期値の0.01%から最終的に0.17%まで上昇(期間平均で約0.1%)。人口密度は0.11人/Km2から10.41人/Km2へ、農耕地は最後の2000年で初期の総面積を超え、狩猟採集地域への侵食を始め、最終的には3947Km2となり、地球上の居住可能総面積の4%を占めるまでになった。農耕民は急激な人口増加の結果、約4111万人となり、最終的な総人口4972万人の82.7%を占める結果となった。一方、狩猟採集民の人口は約907万人をピークに、その後は、農耕地による狩猟採集地の浸食から減少に転じ、最終的には約861万人と少数派となった。(図2

     

     このように技術革新・文化革命説に基づくモデルで、狩猟採集社会から農耕社会への移行を定量的に再現することは可能であり、シミュレーション結果も概ね歴史的記述と合致するものとなった。

     しかし、このモデルでは農耕革命の発生がタイムスイッチという形で所与の条件として与えれており、なぜ、この種の技術革新が8000年前に発生したのかが不明であるという疑問が残る。

    ●気候変動・外部ストレス説

     実際、この技術革新・文化革命説は非常に長い間、定説となっていたが、1960年代に入り、文化人類学や考古学分野の研究手法が飛躍的に進歩するにつれ、決定的な疑問が生じてきた。

     まず、 R.リーなどによる現代の狩猟採集民に関する研究から、この学説が前提とした、低い生産性・飢餓状態・長い労働時間・低い文化性という狩猟採集生活に関するステレオタイプが崩壊し始めた。また農耕に必要な知識は発明・発見的なものではなく、狩猟採集民の間でも一般的によく知られていることがわかってきた。さらに考古学的研究からも、栄養状態や死亡率などから見て農耕・定住化によるデメリットがかなり大きいこと、農耕は技術革新ー伝播説を否定する形で、世界の広範な地域で、ほぼ同じ時期に独立して発生したことなども知られるようになってきた。

     これらの様々な知見から 伝統的な狩猟採集は、必ずしも農耕に劣るものではなく、むしろ、その安定した生活パターンを乱す、何らかの外的ストレスや不均衡が発生し、結果的に農耕への移行が生じたと考えられるようになり、とりわけ更新世末期の気候変動が注目されることとなった。

     たとえば、E.H.ライトは、更新世末期の気候変動の結果、 約1万年前に中近東で野生穀類が大量かつ高密度に自生するようになったことが農耕発生を生んだとしており、またF.A.ハッサンも気候変動から自然生態系資源のゆらぎが起き、これに対する適応過程で定住・農耕が発生したとしている。あるいは、D.ハリスのように局地的な気候変動ではなく更新世末期に起きた世界的な気候変動により移動性の大型動物相が消滅した結果、狩猟採集民の経済戦略が変化し、定住・農耕の発生へと繋がったとする説もある。

    この気候変動・外部ストレス説は、技術革新・文化革命説の欠点を補うものであるが、これをモデルに組み込もうと、先史時代の気候変動について調べたところ思わぬ壁にぶつかった(図3)。

     確かに大雑把に言えば、更新世後期の18千年前から地球は温暖化に向い始め1万年あたりで氷河期が終了、その後は、現在の年平均気温に近いレベルに移行している。だが1万3千年から1万年前にかけて激しい変動が繰り返し起きている。つまり、これだけの上下動があれば、どこで農耕革命が起きても不思議ではない。

     また、この年間平均気温の上下動が自然生態系にどのような影響を与えたかも不明である。確かに農耕革命が起きた8000年前は、氷河期終了後、最初の寒冷化の底に当っている。しかし、この寒冷化により大型動物群が死滅したと仮定すると、ではそれより遥かに平均気温が低下した1万2千年−1万年前には、なぜ生き延びることができたのか?という疑問が生じる。また、このような寒冷化が進む中で野生穀類が大量かつ高密度に自生し農耕発生の条件が整ったとも考えにくい。

     実際、このような気候変動・外部ストレス説に対し、考古学者M.コーエンは(1)世界的な農耕発生の時期とタイミングが合わない(2)気候変動は可逆的かつ繰り返し起きる(3)気候変動は本質的に地域的であり、しばしば隣接する地域で逆方向に作用するため、地球規模での広範な変化を説明できないとしている。

     事実、前述のモデルの自然環境セクターに改良を加え、自然資源に乱数的な振動を与えた場合、確かに人口成長にゆらぎが発生する。しかし、マルサス・モデルを基本とする限り、人口は常に与件である自然資源=食糧のゆらぎに適応するだけであり、人口のレベルは上下するものの、狩猟採集社会が致命的な危機に陥ることはない。

    ●人口圧力・食域拡大説

     この与件である自然資源=食糧に人口が適応・均衡するマルサス・モデルに対し、農業経済学者のE.ボスラップは第三世界に関する研究から、人口成長とその結果としての人口密度の増大こそが、生態環境に対する人類の対応=生産様式を継続的に変化させたのだとする全く逆のモデルを提案した。そして、前述のM.コーエンが、この説をさらに考古学的に拡張した。

     つまり、先史時代から人類は非均衡型の人口システムを持っており、人口は常に増加する傾向にある。このため狩猟採集社会の人口成長率が、たとえ、どのように低い値であったとしても、いつかは潜在狩猟採集地が枯渇し人口密度が増大し「環境限界」に達する時期が来る。しかし、マルサス・モデルと異なり、この非均衡モデルでは、人口は自然環境に適応して停滞してしまうのではなく、「何でも食べる」、いわゆる食糧のブロード・スペクトラム化(食域拡大)を起こすという。この結果、枯渇しつつある大型狩猟動物に替わって、従来なら顧みられなかった小動物や木の実などを新たな食糧レパ−トリ−に加え、これが「環境限界」を上昇させる。そして、この結果さらに人口が増加し人口密度が高まって行くと、やがては、生産効率が悪く美味しくもない野生性穀類が採集されるようになり、さらに人口圧力が増大すると、これを労力を掛けて栽培する農耕革命が発生するとしている。

     そこで研究の第二段階として、この人口圧力・食域拡大説に基づくモデルを作成した。

     このモデルでは、狩猟・採集・農耕の三つの労働形態ごとに労働効率の初期値を設定し、狩猟の場合がもっとも高く、2時間/日、生産年齢人口の40%の労働力で全人口を養えるのに対し、採集では4時間/日、60%で、また最も効率の悪い初期農耕では6時間/日、60%が必要とされると仮定した。

    また労働力は全人口の生存必要食糧を満たす上で最も効率の良い形態を取るものとした。さらに狩猟採集の土地生産性は、自然環境が生み出す動物性資源と植物性資源に依存し、これらの資源が枯渇するにつれ低下する一方、農耕の土地生産性は、 E.ボスラップの説を踏まえ、農耕労働力の集約化につれ上昇するものとした。

    このモデルでシミュレーションを行う(図4/図5)と、成長率0.01%で総人口が増加するにつれ潜在狩猟採集地が減少してゆき、狩猟者の人口密度が上昇してゆく。しかし、自然環境が生み出す動物性資源には上限があるため、単位面積あたりの狩猟生産が、この閾値を越えると動物性資源の急激な枯渇が始まる。この結果、狩猟の労働効率が低下し始め、狩猟のみでは全人口の生存必要食糧を満たすことができなくなり、これを補うために採集活動が始まる。まず女性など生産年齢人口のうち狩猟に参加していなかった人々が採集に投入される。が、やがて動員できる労働力が上限に達し、さらなる動物性資源の枯渇から狩猟の労働効率が採集以下となり、狩猟から採集への労働力シフトが始まる。

     このような形で採集労働力が増加するにつれ、採集者の人口密度も上昇して行く。そして動物性資源同様、単位面積あたりの採集生産が閾値を越えると同時に、植物性資源の急激な枯渇が始まり、ついには採集の労働効率が農耕を下回り、ここで採集から農耕への急激な労働力シフトが発生する。

     農耕が開始されたことにより食料不足が解消される結果、成長率は回復に向かい、ほぼ当初の水準に戻るが、その一方、農耕労働力の増加にともない農耕地が拡大し、これが徐々に潜在農耕地比率を低下させ、農耕者の人口密度が高まり始める。こうして農耕労働力の集約化が起こり、これが農地の土地生産性を高め人口成長が始まる。この人口成長が潜在農地をさらに減少させ、やがてすべての農耕適地は使い尽くされるが成長サイクルは労働集約化による土地生産性の上昇が限界に達するまで続き成長率は最高年率0.15%まで上昇する。

     このようにM.コーエンの食域拡大説とボスラップの労働集約化説を組み合わせたモデルにより、狩猟採集から農耕への労働力の遷移と、その後の、農耕労働力の集約化による土地生産性の上昇、これにともなう人口成長率の急激な高まりという、いわゆる「農耕革命」の一連のプロセスを十分に再現しうることが明らかになった。

     また、この種の一連のプロセスが、いつ頃、どれくらい急激に起きるかは、自然環境資源や土地利用率の初期値、農耕適地比率や、農耕労働力の集約化に対する土地生産性上昇率などに影響されることもわかってきた。

    8000年前に人類に何が起きたか?

     1万5千年前に人類が住んでいた自然環境が、現在のサバンナ(Tropical grassland)並みの動物性資源(有蹄類生産量9000 kg/km2)をもつと仮定し、初期人口密度を0.10/km2として、F.A.ハッサンの最適維持人口密度(Optimal Carring Capacity)を求めると0.191/km2となる。狩猟採集地の拡大がない場合に人口密度が0.1から、この上限値まで増加する時間を人口方程式(N=Noert )で計算すると、約6500年後つまり現在から8500年前となり、これは定説の8000年前とぼぼ一致する。

     つまり、全地球的な観点から見ると、気候変動のような外部要因を想定しなくとも、人類は自らの人口増加の結果、8000年前頃には、いずれにせよ決定的な「成長の限界」に達したと思われる。無論、この時点でマルサス・モデル的な環境への適応をはかり、0成長を選択することもできたかも知れない。事実、現存の狩猟採集民の祖先は人口増加を抑制し、自然環境に調和する方向を選んだ。しかし、人類の大部分は自然環境の急激な悪化に対し食域の拡大という方向を選び、労働集約的な農耕生産を始めたと思われる。そして、この新しい生産様式は、狩猟採集とは異なり、労働力を集約化すればするほど、単位面積あたりの生産量を増加させる性質を持っていたため、それ以前とは比較にならない急激な人口成長サイクルを発生させたと考えられる。

     この種の変化は、地球全体としては8000年前頃に起こったが、自然環境資源や土地利用、農耕適地比率、農耕労働力の集約化に対する土地生産性上昇率の違いなど、各々の地域の初期条件によって一定のばらつきが発生したと思われる。このわずかな時間のズレが、農耕革命後に発生する急激な人口成長サイクルにより増幅され、いわゆる「農耕文明」の発生地と、その周辺地域との違いを生んだのではないだろうか。というのも農耕適地がすべて使い尽くされ、労働集約化による土地生産性の上昇が限界に達しても、なお同様の生活水準を維持しょうとすれば、周辺地域を侵略し農耕地を拡大する以外に道はなく、これが文明という巨大な装置を発達させたと考えられるからだ。

     いずれにせよ、ここで紹介した人口圧力・食域拡大モデルは、まだ開発段階であり、「先史時代ワールドモデル」の決定版でない。今後、さらに改良を重ねるとともに、地域的なバラツキも再現できる形にしてゆきたいと思っている。

謝辞

 本研究において、暖かく文献の紹介やアドバイスを与えてくれた、印東道子(考古学)、馬淵悟(文化人類学)、鈴木充夫(農業経済学), 植松光夫(地球化学), 高田壮則(数理生物学)の同僚の先生方、甲南大学の山内昶先生に心より感謝を述べたい。

文献

[1]グッドマン、マイケル・R.、蒲生叡輝 他 訳 1981 『システム・ダイナミックス・ノ−ト』マグロウヒル好学社
[2]原 俊彦・植木武 1996 「先史時代のワールドモデル−システムダイナミックス手法による構築」、『情報考古学』 Vol .2(1):28-39日本情報考古学会/1997 「先史時代のワールドモデルの改良I−農耕人口.巧緻拡大.生産性の関係についての考察」、『情報考古学』 Vol .3(2):54-65日本情報考古学会/1998「先史時代ワールドモデル:総合モデルによる仮説検証 その1−仮説検証に向けた総合モデルの調整ー」『第6回 日本情報考古学会報告要旨』:18-23日本情報考古学会
[3]メドウ、D. H.&D.L., ランダース、J、茅陽一他訳、1992、「限界を越えてー生きるための選択」、ダイヤモンド社
[4]Boserup, E.,1965, The Conditions of Agricultural Growth, Aldine./1981, Population and Technological  Change, University of Chicago Press, Chicago
[5]Cohen, Mark, 1977, The Food Crisis in Prehistory : Overpopulation and the Origins of Agricluture. New Heaven: Yeale University Press.
[6]Forrester,J.W. 1973 World Dynamics Second Ed.,Wright-Allen Press,Inc., Cambridge, Massachusetts
[7]Harris, David R.(1967). "New light on plant domesti-cation and the origins of agriculture:a review. " Geo-graphical Review, 57:90-107
[8]Hassan, F.A. 1981 Demographic Archeology. Academic Press, New York.
[9]High Performance System Inc. 1994, "Stella II Technical Documentation", High Performance System Inc., Hanover NH.
[10]Lee,R.B.,1979,The !Kung San, Cambridge Unv.Press
[11]Meadows, D.H.&D.L., Randers,J.,et.al.1972, The Limits to Growth, A Potomac Associates Book, U.S.A.
[12]/1974, Dynamics of Growth in a finite world,Wright-Allen Press,Inc.,Cambridge,Massachusetts

論文・報告書・著書リスト (1999年1月現在)

  1. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル構築のための試論」、『考古学における計量分析ー計量考古学への道』, 文部省統計数理研究所、第5号、P.112-126, 1995-10
  2. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル構築の試みーシステムダイナミックス手法による」、『シンポジウムー人文科学における数量的分析報告書』、文部省科学研究費補助金・重点領域研究「人文科学とコンピュータ」数量的分析研究班 、第1号 p.87-p.94, 1996-3-11
  3. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築についてーシステムダイナミックスによる開発」、『第1回 日本情報考古学会報告書』、日本情報考古学会、 p.44-p.49, 1996-3-22
  4. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築」、『重点領域研究「人文科学とコンピュータ」1995年度報告書』、重点領域研究「人文科学とコンピュータ」事務局、p.457-p.466, 1996-5
  5. HARA ,T.,T.Ueki, "Design of a Prototype of the Prehistoric World Model by System Dynamics", パッケージ1用の英文解説書 1996-7 , 未発表原稿 
  6. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルにおける農耕セクターの改良ー農耕人口・耕地拡大・生産性の関係についての考察」、『日本情報考古学会第2回大会発表要旨』、日本情報考古学会、p.54-p.63, 1996-9
  7. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルにおける 狩猟採集セクターの改良ー人口密度と労働生産性に関する考察」『シンポジウムー人文科学における数量的分析報告書』第2号: 文部省科学研究費補助金・重点領域研究「人文科学とコンピュータ」数量的分析研究班、p.87-p.941997-3-10
  8. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルにおける生産セクターの改良ー最適食域理論の拡張可能性について」、『日本情報考古学会第3回大会発表要旨』、日本情報考古学会、p.1-p.6, 1997-3-22
  9. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル−システムダイナミックス手法による構築」、『情報考古学』VOL(1):日本情報考古学会, p.28-40,1997-3-20
  10. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築ー96年度の改良作業の結果から」、『重点領域研究「人文科学とコンピュータ」1996年度報告書』、重点領域研究「人文科学とコンピュータ」事務局、CD-ROM1997-3
  11. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルのデザイン」、『日本計量行動学会第25回大会発表論文抄録集』、日本計量行動学会、p.90-p.91, 1997-9-5
  12. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルー最適食域理論の生産セクターへの組み込みについて」、『日本情報考古学会第4回大会発表要旨』、日本情報考古学会、p.44-p.49, 1997-9-14
  13. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル:生産セクターの総合化−狩猟採集から農耕への移行と人口成長に関する考察−」『シンポジウムー人文科学における数量的分析報告書』第3号: 文部省科学研究費補助金・重点領域研究「人文科学とコンピュータ」数量的分析研究班、p.35-p.441998-3-10
  14. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル:生産セクターの総合化とシミュレーション結果−最適食域モデルと労働集約化モデルの結合ー」『日本情報考古学会第5回大会発表要旨』、日本情報考古学会、p.33-p.38, 1998-3-22
  15. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの改良I−農耕人口・耕地拡大・生産性の関係についての考察−」『情報考古学』VOL3(2):日本情報考古学会, p.54-65,1997-3-20
  16. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築ー97年度の作業の結果から」、『重点領域研究「人文科学とコンピュータ」1997年度報告書』、重点領域研究「人文科学とコンピュータ」事務局、CD-ROM1998-5
  17. 原 俊彦、「もののけ姫よ、永遠にー先史時代ワールドモデルからの展望」、『人文科学と情報処理』16号、p.38-p.39, 1998-5
  18. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル:総合モデルによる仮説検証 その1ー仮説検証に向けた総合モデルの調整」『日本情報考古学会第6回大会発表要旨』、日本情報考古学会、p.18-p.23, 1998-9-12/13
  19. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築−狩猟採集から農耕社会への移行を考える」、『人文科学と情報処理』20号、p.XX-p.XX, 1999-2 印刷中
  20. 原 俊彦、「人文科学のためのコンピュータ・シミュレーション入門−システム・ダイナミクス手法によるマクロ・モデルの作成−第1回 コンピュータ・シミュレーションの勧め」、『人文科学と情報処理』20号、p.XX-p.XX, 1999-2 印刷中
  21. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築:最終報告」、『シンポジウムー人文科学における数量的分析報告書』第4号: 文部省科学研究費補助金・重点領域研究「人文科学とコンピュータ」数量的分析研究班、p.XX-p.XX, 1999-3 印刷中
  22. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの改良II−狩猟採集から農耕社会への移行についての考察−」、『情報考古学』VOL4(2):日本情報考古学会, p.XX-p.XX, 1999-3 印刷中
  23. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル:総合モデルによる仮説検証 その2ー農耕発生のタイミングによる複合化」『日本情報考古学会第7回大会発表要旨』、日本情報考古学会、p.XX-p.XX, 1999-3 印刷中
  24. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築ー研究成果のまとめ」、『重点領域研究「人文科学とコンピュータ」研究成果報告書』、重点領域研究「人文科学とコンピュータ」事務局、CD-ROM1999-3 印刷中
  25. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築ー研究成果のまとめ」、『重点領域研究「人文科学とコンピュータ」研究成果報告書』、重点領域研究「人文科学とコンピュータ」事務局、冊子体、1999-3 印刷中
  26. 原 俊彦、「人文科学のためのコンピュータ・シミュレーション入門−システム・ダイナミクス手法によるマクロ・モデルの作成−第2回 システム・ダイナミクス手法とは」、『人文科学と情報処理』21号、p.XX-p.XX, 1999-4 執筆中
  27. 原 俊彦、「人文科学のためのコンピュータ・シミュレーション入門−システム・ダイナミクス手法によるマクロ・モデルの作成−第3回 マクロモデルの作成」、『人文科学と情報処理』22号、p.XX-p.XX, 1999-12 執筆予定
  28. 原 俊彦、「人文科学のためのコンピュータ・シミュレーション入門−システム・ダイナミクス手法によるマクロ・モデルの作成−第3回 マクロモデルの作成」、『人文科学と情報処理』23号、p.XX-p.XX, 2000-2 執筆予定
  29. 原 俊彦、「人文科学のためのコンピュータ・シミュレーション入門−システム・ダイナミクス手法によるマクロ・モデルの作成−第4回 先史時代ワールドモデル」、『人文科学と情報処理』24号、p.XX-p.XX, 2000-4 執筆予定
  30. 原 俊彦、「情報考古学シリーズ 第2巻 狩猟採集から農耕社会へ」、勉誠社、 2000-4 刊行予定

発表・報告活動 (1999年1月現在)

  1. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル構築のための試論」、『考古学における計量分析ー計量考古学への道(V)』, 文部省統計数理研究所、東京都港区, 1995-10-15
  2. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル構築の試みーシステムダイナミックス手法による」、『シンポジウムー人文科学における数量的分析』、文部省科学研究費補助金・重点領域研究「人文科学とコンピュータ」数量的分析研究班 、文部省統計数理研究所、東京都港区, 1996-3-12
  3. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築についてーシステムダイナミックスによる開発」、『第1回 日本情報考古学会』、日本情報考古学会、帝塚山大学, 奈良県東生駒市、1996-3-24
  4. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルにおける農耕セクターの改良ー農耕人口・耕地拡大・生産性の関係についての考察」、『日本情報考古学会第2回大会』、日本情報考古学会、文部省統計数理研究所、東京都港区, 1996-9-28
  5. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルにおける 狩猟採集セクターの改良ー人口密度と労働生産性に関する考察」『シンポジウムー人文科学における数量的分析(2)』、文部省科学研究費補助金・重点領域研究「人文科学とコンピュータ」数量的分析研究班、文部省統計数理研究所、東京都港区, 1997-3-11
  6. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルにおける生産セクターの改良ー最適食域理論の拡張可能性について」、『日本情報考古学会第3回大会』、日本情報考古学会、帝塚山大学, 奈良県生駒市、1997-3-22
  7. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルのデザイン」、『日本計量行動学会第25回大会』、日本計量行動学会、仙台市戦災復興記念館、宮城県仙台市, 1997-9-5
  8. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルー最適食域理論の生産セクターへの組み込みについて」、『日本情報考古学会第4回大会』、日本情報考古学会、国立歴史民俗博物館, 千葉県佐倉市, 1997-9-15
  9. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル:生産セクターの総合化−狩猟採集から農耕への移行と人口成長に関する考察−」『シンポジウムー人文科学における数量的分析(3), 文部省科学研究費補助金・重点領域研究「人文科学とコンピュータ」数量的分析研究班、文部省統計数理研究所、東京都港区, 1998-3-9
  10. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル:生産セクターの総合化とシミュレーション結果−最適食域モデルと労働集約化モデルの結合ー」『日本情報考古学会第5回大会』、奈良先端科学技術大学院大学、奈良県生駒市、1998-3-21
  11. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル:総合モデルによる仮説検証 その1ー仮説検証に向けた総合モデルの調整」『日本情報考古学会第6回大会』、日本情報考古学会、共立女子大学, 東京都文京区、1998-9-12
  12. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデルの構築:最終報告」、『シンポジウムー人文科学における数量的分析(4)』、文部省科学研究費補助金・重点領域研究「人文科学とコンピュータ」数量的分析研究班、総合大学院大学葉山キャンパス、神奈川県三浦郡、1999-3-18 予定
  13. 原 俊彦、植木武、「先史時代ワールドモデル:総合モデルによる仮説検証 その2ー農耕発生のタイミングによる複合化」、『日本情報考古学会第7回大会』、日本情報考古学会、奈良先端科学技術大学院大学、奈良県生駒市、1999-3 予定

受賞

  1. 1997年度 論文賞、日本情報考古学会、19983
  2. 1998年度 松前重義賞(学術部門)、学校法人 東海大学、19991